2010-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「就活必携」 森 吉弘 (2008) アスペクト

ちょっと待って下さい。物事には諦めなければならないことと、諦めてはならないことがあります。(3章 行動編 p-112) 学生に薦める前に通読。「社会人ならこう考える」というところが親しみやすい語り口で書かれており、なぜそうしなくてはならないのか、と…

「『若者はかわいそう』論のウソ データで暴く『雇用不安』の正体」 海老原嗣生 (2010) 扶養社新書

この本は、単純に考えると「若者は言われるほどかわいそうじゃない」、つまり、今の日本は問題ないよ、と受け止められる嫌いがあるだろう。確かにその意図は、少しある。パッチワーク的に集めた「若者かわいそう」論、そういう俗説的状況と現実は異なる、と…

「街場のメディア論」 内田 樹 (2010) 光文社新書

それは医療と教育という、人間が育ち、生きてゆく上で最も重要な制度について、市民の側に「身銭を切って、それを支える責任が自分たちにはある」という意識がなくなったからです。市民の仕事はただ「文句をつける」だけでよい、と。制度の瑕疵をうるさく言…

「世界の測量 ガウスとフンボルトの物語」 ダニエル・ケールマン 瀬川裕司訳 (2008) 三修社

どこへ行っても、彼がメモを取る速さは労働者の驚嘆の的となった。つねに旅の途上にあり、眠ったり食事をしたりすることもほとんどなく、そんな生活がどんな意味を持つかについては、見当も付かなかった。兄に送った手紙には、僕の中には、自分がいつか理性…

「走ることについて語るときに僕の語ること」 村上春樹 (2010 単行本は2007) 文春文庫

このような能力(集中力と持続力)はありがたいことに才能の場合とは違って、トレーニングによって後天的に獲得し、その資質を向上させていくことができる。毎日机の前に座り、意識を一点に注ぎ込む訓練を続けていれば、集中力と持続力は自然に身についてく…