2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「田辺聖子の小倉百人一首」 田辺聖子 (1991 単行本は1989) 角川文庫

あひみての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり 生きる上での知恵、参照軸といったものは、みんなこうした古典から学べるのではないかと思う。「何に依って生きるか」は、自ら考え求めなければどこからも与えられないということが、大人になると…

「うたかた」 田辺聖子 (2008 単行本は1975) 講談社文庫

虹である人生の真実の生命は一瞬のものだとは、いったい、誰が知り得よう? 人間が真実を抱いていても、それがあい手に伝わり、はッしとひびくのは、ほんの一瞬間で、しかも汐のみち干のようにそれはきまりのある時ではなく、いつ光りだすか、わからないのだ…

「人生はだましだまし」 田辺聖子 (2005 単行本は2003) 角川文庫

<気ごころ>が知れる、というのは、では、どういう場合をいうのだろう。多分、それは自分の理解圏内に相手が矢を飛ばしてくることだろう。(こういうことだろうと思ったら、やっぱりだった)などと当方は安心する。それによって相手を安く踏んだりしない。…