2011-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「生きかた名人 楽しい読書術」池内 紀 (2004) 集英社

もともと歌人や俳人、文人や画人に旅はつきものだ。「千里の道を歩み、万巻の書を読む」の約束事がある。読書を怠り、旅をおっくうがると、人間が卑しくなって、応じて作品も下落する。風雅のたしなみのための旅である。(メランコリー 若山牧水 p-182) 読…

「二列目の人生 隠れた異才達」池内 紀 (2008 初版は2003) 集英社文庫

中学生は、その齢ごろ特有の鋭敏な感覚で、目の前の人が「ただの人」でないことを感じ取っていたのではあるまいか。とにかく何かがちがう。全身にそんな雰囲気があった。大人たちの間ではめったにないもの、生活とまるきりかかわりがなく、しかし、それがな…