2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

「大好きな本 川上弘美書評集」 川上弘美 (2010 単行本は2007) 文春文庫

父よなぜあのときあんなことを言った。おかげでわたしは十年もマルヤサイイチという作家の本を読まずに過ごしてしまったではないか。読めずに過ごしてしまったではないか。ゆるせん。ゆるせーん。(「男もの女もの」 p-326) あはは。書評というか、個々の本…

「女たちよ」 伊丹十三 (2005 単行本は1968) 新潮文庫

こんな安物をも飾り立てずにはおられない。それがかえって貧乏たらしいことに気づかない。これは安物だからガスがなくなったら捨ててしまうんだ、というところがクリケットの颯爽たるところじゃないの。なんにもわかっちゃいない、のです。(スパゲッティの…

「調理場という戦場 『コート・ドール』斉須政雄の仕事論」 斉須政雄 (2006 単行本は2002) 幻冬舎文庫

才能というもののいちばんのサポーターは、時間と生き方だと思う。才能だけでは駄目だと思うのは、「時間や生き方なしでは、やりたいことの最後までたどりつかない」と僕が感じているからなのです。仕事に合った生き方を持続できるかできないかが、才能の開…

「イノベーションの知恵」 野中郁次郎 勝見明 (2010) 日経BP社

施設で行われる訓練指導は例えていえば、国語、数学、理科、社会、英語とあって、数学が苦手な人は数学を克服しなければ社会参加しては駄目という考えです。でも、それは管理する側の論理です。障害者の側に立てば、"数学抜きの私立文系"の生き残り方もある…