「地域再生の罠」 久繁哲之介 (2010) ちくま新書

地域再生の罠 なぜ市民と地方は豊かになれないのか? (ちくま新書)
もともとスローフード発祥の地イタリアでは、スローフードの<本質>は、家族や友人など身近にいる大切な人と余計な気と金を使わず、ゆっくりと楽しい時間を過ごすことにある。つまり、スローフードの本質は「大切な人との交流」という一点に尽きる。(第3章 間違いだらけの「前提」が地方を衰退させる p-081)
成功事例を礼賛する多くの本に対して、ダメな/いいとされているけど実はダメな事例の問題点を指摘していくという趣向。土建屋に恨みでもあるのかなーという部分も散見されるが(w、最終的には「交流」、「スローフード」といった、他と同じような取り組みに行き着いている。(ブログ=久繁哲之介の地域力向上塾)。結局はハコよりヒト、モノよりコト、ということだろう。それらは地味で、時間がかかり、仕掛けるには頭が良くないとダメだから難しいんだろう。個人的には、1つの組織を発展させられなかった人たちに地域の再生が可能かという根本的な問題に、今後ぶち当たっていきそうな予感がする(苦笑。(2012年7月18日読了)