「田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則」 金丸弘美 (2009) NHK出版

田舎力 ヒト・夢・カネが集まる5つの法則 (生活人新書)
こういった新しい地域は、自らの力でネットワークを構築し、互いに知恵とアイデアを交換しながら、ますます発展していく。インターネット技術は、消費者との直売ルート開拓や広報ツールとしてだけでなく、知恵ある生産者同士の情報交換にも大いに貢献している。もはや、田舎が都会に学ぶのではなく、賢い田舎は都会を飛び越して田舎同士で学びあっているのだ。(第3章 ブランドデザイン力〜ヒットの秘訣は地域に訊け p-121)
地域振興のカギを発見力、ものづくり力、ブランドデザイン力、食文化力、環境力の5つに分け、様々な例を紹介してある。ちょっと衝撃的かつ、ありそうに思えるのは上の記述だろう。これだけ成功例があればどこでも何か考えられそうな気がするが、実際にはマネをすることすらせず、あるいはハコモノの誘致で終わっているのではないか。宋文州氏のメルマガに“日本人は韓国、台湾、中国の順で「日本のマネばかり」と批判してきました。後になって見ればその順は殆ど日本のシェアが奪われる順だとわかります。”という一節があった。マネをするかどうかということより、そこまでしてでも「のし上がろう」とする気迫があるかどうかが、この国と新興国を、栄える地域と沈む地域を分かつのではないか。(2012年7月14日読了)