「就職、絶望期 「若者はかわいそう」論の失敗」 海老原 嗣生 (2011) 扶養者新書

就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗 (扶桑社新書 99)
遅々としてまるで変わらぬように見えて、アメーバのように最適なかたちへとなし崩し的に変化していく。それが日本という国の得意技なのだ。雇用の改革も、もう半ばまで到達し、少なくとも「年功序列」は穏やかに崩壊している。10年後に振り返ると、「ああ、また日本にしてやられた」と世界中、そして日本に住む私たち自身でさえ、あきれ顔半分、感嘆半分でそう苦笑いしているような気がしてならない。(第五章 教育・雇用の一体改革案 p-256)
本筋とは離れるが、こうした見立ては的を射ていると思うし、ポジティブで好感。予言の自己成就ということもあるし。統計データをきちんと読みましょうといういつもの話だが、この本では最後に具体的な提言が書かれており、非常に説得的。大いに参考にさせてもらうことに。中に、「スペシャリティを持っていれば会社を自由に選べるなんてことは、40歳近くにもなればほとんどありえない」とある。そーですか(苦笑。逆に会社をある程度「自由にできる」ように頑張らねばならない。(2011年12月26日読了)