「男たちへ」 塩野七生 (1993) 文春文庫

男たちへ―フツウの男をフツウでない男にするための54章 (文春文庫)
だが、三十代の男たちとなると、彼らのその後の見当がだいたいはつくようになる。何かやれそうか否かが、ほとんど分かるようになってくるのだ。それが四十代ともなると、もう明白である。話を少ししただけで、これは幸福な人生を歩むかそれとも不幸で終わるかが、相当に高い確率で予測できるくらいだ。そして、十年経つと、私の予測はだいたい当たっている。これは、顔にも出てくるからである。(不幸な男(その2)p-237)
おそろしや。資生堂の広報誌の連載をまとめたもの。ずいぶん前の本だが、そこここに「オトナの知恵」がちりばめられていて勉強になる。この歳になるともはや「運が悪かった」ではすまされないということだろう。職業柄、人や仕事に揉まれることが少なくてよくないと思うけれど、有利な面を最大限活かして「いい顔をした大人」になれるように精進しなくてはいけないと思う。(2011年12月10日読了)