「成功は一日で捨て去れ」 柳井 正 (2009) 新潮社

成功は一日で捨て去れ
自分の会社や事業として、単純に「こんなことをしたい」のではなく、常に「どうあるべきか」を考えて決断しなくてはならない。多くの人が、自分に果たしてできるだろうか、自分には能力がないのではないか、こんなことよりも自分は別のことをした方がいいのではないか、などと思い悩む。それで大失敗するのだ。世間とか世の中は自分よりももっとずっと大きな存在なので、自分の都合などは聞いてくれない。社会的に必然性がなければ失敗する。社会がその事業を要求するから成功するわけで、本当は何も思い悩む必要などないのだ。(第1章 安定志向という病 p-31)
「経済一流」と言われていたこともあり、この国では経済人が最も優秀なのではないかと思っているのだけれど、そうした人の評伝や語録の類は、仕事柄参考になるので好きなジャンルである。商売人だなぁ、というのと、その確信はどこから来るのか?という印象。「どうあるべきか」を考え、見抜くセンスが才能であり、上に立つものが研鑽すべき力の一つであるだろう。(2011年12月19日読了)