大学の授業 宇佐美 寛 (1999) 東信堂

大学の授業
このような無知・怠惰な学生たちに対して講義などしてはいけない。「講ずる」という方法に合うような抽象的・包括的な言葉を一方的に長時間与えていたら、学生はなおたるむ。受身になる。講義の言葉がどんな事実に対応しているかが分からない。なにしろ、対応させようにも、そのための事実の知識の蓄えがないのである。講義などせず、おおいに本を読ませねばならない。
(「課題図書」p-114)
大学で「講義」というスタイルをとる確たる理由はなくて、ただ、「そうだったから」という理由でしかないかも知れない。「そうでなくていいんだ」、むしろ「そうあるべきではないんだ」ということを知らしめる一冊。
(2009年2月読了)