「ローマ法王に米を食べさせた男」 高野誠鮮 (2012) 講談社

ローマ法王に米を食べさせた男  過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?
やってきたことが間違っていたんです。判断の誤りの連続だったわけです。だから何十年やってても改善できなかったんです。それで長い間、間違った判断を下してきた人たちに稟議書を出して、もう一回伺いをたてるのはおかしいと思ったんです。しかも稟議書を回すと、「なぜこんなことをしなくちゃならないのか」などと、中間の企画財政課、総務課とか、いろんなセクションで止まっちゃうんですよ。「一年で成果を出せ」と市長からは言われているのに、従来の決済のやり方では時間がかかりすぎる。それで、こちらで先にやることを決めて、あとで報告をすることにしたのです。(第1章 「一・五次産業」で農業革命! p-31)
「したのです」と言って、そう出来るところがすごい。「出すぎた杭は打たれない」というところか。「神子原米」としたコシヒカリで酒を造って四合1万円というのもすごいと思うけれど、やった者勝ち。とにかく前へ進む、失敗したらやり直せばいいというマインドセットが、このように花開くこともあるのだという事実には勇気づけられる。(2012年9月10日読了)