「どうする? 日本企業」 三品和広 (2011) 東洋経済新報社

どうする? 日本企業
成長は結果として実現するもので、目標は、「事業活動を通して世の中にもたらす変化」という言語で語るべきです。そもそも資本主義は社会に貢献する企業に対して利益という報償を出す制度であり、極論すれば、企業に期待される社会貢献は二種類しかありません。一つはすでにあるモノやサービスを今より安く提供すること、もう一つはいまだ世の中で買うことのできないモノやサービスを買えるようにすること、この二種類です。(第6章 本当に集団経営ですか?―こうしたい! 日本企業 p-216)
会社は株主のものだとか、なんでも市場原理に任せたらよいみたいな議論のあと、投資銀行が破綻して、資本主義の限界をいかに超克するかが問われているところだと思うけれど、こういったそもそも論に根ざした議論は好ましいし、いろんなアイデアを誘発すると思う。左も右も、現状に有効な打開策を打ち出せていないといわれる中で、必要なのは理念だろう。(2012年8月21日読了)