「経営戦略を問い直す」 三品和広 (2006) ちくま新書

経営戦略を問いなおす (ちくま新書)
まずはキャラクター。結論を先に述べると、こちらは簡単に見えないと思います。人に見られていると知りながら、非論理的、または非道徳的な言動を見せる人は、そうそういるものではないからです。キャラクターを見抜くには、様々な局面における日常の観察、しかも長期にわたる観察が必要になるでしょう。内部登用は、その点で有利です。次にテンパラメント。これぞ人選の決め手ですが、こちらは工夫次第で見えると私は信じています。(第四章 人材 p-158)
人を評価する座標軸として、パーソナリティ(性格、人柄…他人に与える印象)、キャラクター(品性、人格…倫理/道徳面)、テンパラメント(気質、感受性…感情の動き方)の3つを挙げ、人選はパーソナリティではなく、キャラクターとテンパラメントを見極めて、最終的には後者で決めるべき、としている。大学にいるといろんな学生を見ることになるわけだけれど、彼らをこういう風に見たことはなかった。そして、なんとなくパーソナリティで人選して誤った気がする(苦笑。ほかにも、経営は属人的なアートであるなど、興味深い指摘多数。(2012年6月16日読了)