「ざらざら」 川上弘美 (2011 単行本は2006) 新潮文庫

ざらざら (新潮文庫)
きっと明日も会社に行って、お昼にはパスタかカレーか焼き魚定食を食べて、夜お風呂に入った後にはマニキュアを塗りなおして、友達にちょっと電話をして、でもふられたことはまだ話さないで、かわりに今シーズンのバーゲンの話か何かして、電話を終えてからまた少し泣こうかと思うけれど、もう泣けないんだろうな、と思いながら、あたしは某月某日、いつの間にか、寝息をたてはじめている。(淋しいな p-127)
若い人向けの恋愛短編集を、なぜか親から借りて読むことに。恋愛小説というのは、うまくいかなかったという話ばかりなんだっけ? とふと分からなくなる。みんな、こういう話を読んで共感したり、慰めたり、参考にしたりするのだろうか。(2012年6月6日読了)