「龍宮」 川上弘美 (2005 単行本は2002) 文春文庫

龍宮 (文春文庫)
幻想譚というものだそうである。そこから何も教訓めいたことを引き出すことが出来ない/それを拒むような「おはなし」なのだけれど、それらの中には「いつか死ぬ」という思いが通底している。人間も、異形のものたちも、歳をとりながら、死に向かって疾走していく。それは悲しいことではなくて、ただ、世の習いであるからといったふうで。(2012年2月24日読了)