「大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動」 沢田健太(2011)ソフトバンク文庫

大学キャリアセンターのぶっちゃけ話 知的現場主義の就職活動 (SB新書)
しかし、教養教育の意義は十分認めた上で、私はある程度職業を意識した教育プログラムを提供できる大学も作るべきだと思う。アカデミズムと程遠い学生は増えている。が、他に行き場がないのだから、大学生を減らすわけにもいくまい。だったらまず、ボーダーフリーと言われる底辺校から脱アカデミズム化、職業教育校化を起こしてもいいのではないか。(最終章 あとがきにかえて 学生も企業もハッピーになるために p-259)
普通に考えたらそうだろう。学問を前に推し進める人口、それに向いた人たちというのは、国民のうちごく一部にすぎない。学問を推し進めるべく教育を受けた人間が同じペースで再生産したら、ねずみ算式に増えてしまうはずである。そこのところを誰もが見て見ぬふりをしている、あるいは、「自分のところは違う」と皆が思っている。科学者であるように教育を受けた者が、そういう場に居合わせたならば、それが間違っていることを直視できなくてはならないし、それに対して、誰も考えつかなかった解を掴み出さねばならない。それが科学者の「心意気」であろうと思う。(2011年12月21日読了)