「日本の未来について話そう ―日本再生への提言―」 マッキンゼー・アンド・カンパニー責任編集 (2011) 小学館

日本の未来について話そう
人口増加に加え、グローバリゼーションと無機質化が進行しつつある世界の中で、人口が減少している日本社会は人と人との温かいつながりのある独自路線を選ぼうとしている。そこに、何か不都合があるのだろうか。世界に知られたモノづくりの力と伝統工芸をミックスさせた「ポスト・ラグジュアリー」社会に転換した日本は、いままで以上に尊敬される豊かで繁栄した新しい国家のモデルとなるであろう。(p-358 「ポスト・ラグジュアリー」の時代 タイラー・ブリュレ)

様々な人(といっても日本人か米国人だけれど)が、この国がこれからどうするべきか、を説いた本。政治やリーダーシップの重要性、英国やロンドンが見本になる、など、だいたいは聞いたことのある内容だが、外国人の目から見た日本の強みの指摘は、「あぁそこですか」という感じで新鮮に響く。最後にマッキンゼーの人がまとめている、「『アウトサイド・イン』でベストプラクティスに学ぶべき」という点は、明治時代にこの国がやったことなのだと思う。その後そうした「猿まね」を忌避した/謙虚さ、柔軟さを失ったところは、変なプライドを捨てて修正すべきだろう。しかし、リーダーシップは「待望するもの」ではなく、すべての日本人が「私が、ここから」発揮すべきことだ。最も重要なのは、そのことに尽きる。(2011年11月26日読了)