「美酒の設計」 藤田千恵子 (2009) マガジンハウス

美酒の設計
三十数年続けてみても、米と水と酵母だけの世界というのは、広くて深くて底なしです。宇宙のようでもあるし、ほんとにわからない無限の世界ですね。酒造りというのは、化け物相手のようだ、と恐ろしくなることすらありますし、いまだに毎年、さあ、今年はなんとしよう、と悩んでいますよ。(第五章 手渡していくもの p-163)
 dancyuの日本酒についての記事の中で、酒屋にこれと先の本がずらりと並んで写っていたのだが、さすがに面白いし、勉強になる。微生物を扱う者として共感するところも多く、同じようなことを考えるのだなぁと思うと感慨深い。日本全国に1000以上の酒蔵があって、美酒と呼ばれるものを造るところも多いのだから、日本酒にはもっとポテンシャルがあるはず。酒を味わうインフラも整えたことだし、時間をかけてこの世界を探検していく、趣味と実益が合致する幸せ(w。(2011年9月11日読了)