「35歳までに読むキャリアの教科書―就・天職の絶対原則を知る」 渡邉正裕 (2010) ちくま新書

35歳までに読むキャリア(しごとえらび)の教科書 就・転職の絶対原則を知る (ちくま新書)
完璧な成果を求め、才能を伸ばして、限りなく完璧に近づいていくのだが、完璧に近づくに連れ、一投入時間あたりの能力の伸び率は、どんどん下がってゆく。一流の到達ラインはきわめて高く、二流以下との差は、ごくわずか、紙一重だ。この図で何が言いたいのかというと、「わずか」であるがゆえに、先天的な段階ですでについてしまっている才能の差は一生、埋まらない、ということだ。(第5章 能力を開発するには p-152)
ひさびさにキャリア本を読んだのだが、このあたりの情報のアップデートが出来た感。自分のイメージとは大きくかけ離れていないが、これほど当たり前のように語られるようになったか、と一種感慨を覚える。もっと若い頃に分かっていればと。ただ、著者のいう動機と能力が合致した職に近づけている感じは持っているので、あとは今の会社の未来が晴れるかどうかだ(苦笑。著者が真摯に自分のキャリアに向き合った成果が詰まっており、このような本が読める若い人は幸せだと思う。若い人は、だけど。(2011年5月12日読了)