「生きかた名人 楽しい読書術」池内 紀 (2004) 集英社

生きかた名人―たのしい読書術
もともと歌人俳人文人や画人に旅はつきものだ。「千里の道を歩み、万巻の書を読む」の約束事がある。読書を怠り、旅をおっくうがると、人間が卑しくなって、応じて作品も下落する。風雅のたしなみのための旅である。(メランコリー 若山牧水 p-182)
読書だけでなく、旅もそうなのだ。日常を離れ、違う風景を見て、違うものを食べ、違う人に出会うことの大切さは、歳を取ってからこそ身に沁みるのではないか。若い頃に旅をしなかったから知らないけれど、固着しそうになる自分に抗うために、だんだんとそうした大がかりな仕掛けが必要になっていくような気がする。(2011年1月29日読了)