「甘い生活 男はいくつになってもロマンティックで愚か者」島地勝彦 (2009) 講談社

甘い生活 男はいくつになってもロマンティックで愚か者
「パパって面白い人なんだね」「おまえも面白いやつだよ」「今度生まれてきたら、パパと二人で暮らそうかな」「でも、ふたりとも浪費家だから大変だぜ」「そうね。わたしも浪費家だから、ふたりじゃ破産しちゃうかもね。やっぱりママが必要か。ア、ハハハ……」と力なく笑った。(ただ、私のために墓碑銘を書いて… p-166)
これが「東スポ」なんだろうか。深い。電車の中では開けないような、どうしようもない下ネタと共に、「人生の機微」な話が綴られる。たくさんの人に会い、友達になって、彼らの影響を受けながら、オリジナルの人生をつくっていく。生きることの面白さ、喜びとはそういうところにこそあるのだということを、雄弁に物語っていると思う。憧れる大人とは、こういう人のことだったろう。(2010年4月4日読了)