「就活のバカヤロー 企業・大学・学生が演じる茶番劇」 石渡嶺司 大沢仁 (2008) 光文社新書

就活のバカヤロー (光文社新書)
こうした学生が、大学で勉強でもサークルでも遊びでもアルバイトでもなんでもいい、何か打ち込んだことがあるかといえば、特にない。企業研究に一生懸命でもないし、日本経済新聞を読んでいるわけでもない。雑誌など、マンガと趣味の雑誌をたまに読む程度。これでは難関大の学生に逆転しようとしても無理である。採用担当者からすれば、「大学に入ってからいったい何をやっていたのか」ということになる。(第2章 大学にとって「就活はいい迷惑」p-112)
タイトルで敬遠していたが内容は真っ当で、誰かを一方的に悪者にしないところもバランスがとれていると思う。しかし、それでも茶番はやめられない。学生、大学、企業、就職情報会社のそれぞれが、そこから「降りる」方法を考えなければならないということだろう。まさにこうした「何もやらない」学生を前に、茶番に心を痛めているわけだけれども、ふと、こんなところで自分は何をやってるんだ?という気がしないでもない。あと20年これを繰り返しても何も生まれないだろうことを思うと背筋が寒くなる。繰り返してはならない。まさに、違った方法を考えねばならないのだ。(2010年3月16日読了)