「新・日本の外交 地球化時代の日本の選択」 入江 昭 (1991) 中公新書

新・日本の外交―地球化時代の日本の選択 (中公新書)
いくら金融を自由化したり非関税障壁を取り除いたとしても、日本人の態度が排他的、国家至上主義的、あるいは例外主義的(自分たちをユニークだと見る気持ち)である限り、心理的文化的には国際社会から孤立し続けるであろう。(第六章「ポスト冷戦」の世界へ p-202)
そもそもこの著者に興味を持ったのは、先に読んだ本の帯に推薦の言葉を寄せておられたからだが、ここに(それより数年前に出た本だが)まったく同じ主張を見ることが出来る。読みながら日本の外交思想が出てくるのを今か今かと待っていたら終わってしまった(w。それが「懸案処理、危機管理指向型であり、ある種の哲学が必要とされることを政策担当者が認識したのは最近のことである(p-210)」状態は、20年経ってどう変わったのか。この「つい受け身にまわってしまう」のは国家だけでなく個人レベルでもそうかもしれない。何かを「仕掛ける」ために必要な「哲学」を、国としても、個人としても意識的に考えていかねばならないのだろう。(2010年2月18日読了)