「7割は課長にさえなれません」城 繁幸 (2010) PHP新書

7割は課長にさえなれません (PHP新書)
とはいえ、まだ人生の分岐点前の若手は転職すればすむ話だ。問題は、幹部候補選抜を過ぎてしまった40代以上である。彼らはこの先どうなるのだろうか。答えは「もうどうにもならない」だ。(第1章 年齢で人の価値が決まってしまう国 p-46)
にべもない(w。著者がblogで断片的に主張していることがまとめて読める、という感じ。彼の主張する「雇用の流動化」が実際に起こったらどうなるか、というくだりは、バラ色過ぎるようにも思えるものの、それほど難しいことではなさそうである。問題は、そちらへ舵を切る決定権を持つのが既得権者であることと、社会全体の心理的な障壁だけなのだろう。これが国民的ベストセラーになれば、「平成維新」は近づくだろう。この国の人々の民族的「伝統」は年功序列や終身雇用ではなく、諸外国からよいものを貪欲に取り込んで、瞬く間に自家薬籠中のものにするところにあったはずである。また「追いつき追い越せ」ばいいのだから、得意なところのはずだ。(2010年2月5日読了)