原子力と報道 中村政雄 (2004) 中公新書ラクレ

原子力と報道 (中公新書ラクレ)
そう考えた私は、理由を挙げて「出力調整は技術的に不安なことではない」と社説に書いたところ、山のような投書と全国から非難の電話が二日間殺到した。投書には同じ文面のものがかなりあった。どこからか指令が出て書いたように思える。(第1章 原子力報道の歴史 p-39)
マスコミが事実を「正しく」伝えていないという問題は、原子力発電に限らないだろう。社会党の反原発は、それが地方活動の活力源だったからこそ、など、なかなか興味深い指摘がなされるが、体系的に問題の構造に迫るという感じではない。マスコミも政治も、そのレベルは世の中の人たちのレベルを反映していると考えるべきだと思う。(2009年10月31日読了)