世界級キャリアのつくり方 黒川 清/石倉洋子 (2006) 東洋経済新報社

世界級キャリアのつくり方―20代、30代からの“国際派
どのようにそれらの人たち、リーダーの立場の人たちがそこにいたったのか、そのプロセスはどうだったか。グローバルに通用するプロセスでそこに到達したのではなく、日本社会の常識、しきたりで今の立場にいたったことは明らかである。(p-188 PART3 「国際派プロ」に必要な五つの力)
黒川氏のblogもよく読むけれど、「そもそも悪いのは大人である」ことをこれほど真正面から指摘する人は少ないように思う。大学人の無能についても、よく話題にされる。結局のところそれは、この国が明治期に外国から学問を取り入れたとき、学問と共に、それを継承していく方法論なりシステムを十分に取り入れなかったこと、あるいは、学問の背景にある歴史と伝統、精神までをも取り入れることはなかったこと、その不在に十分に気づくことがなかったこと、に起因するのではないか。外国に学んだ第一世代とその弟子くらいは偉かったのだけれど、そのあとの世代はその劣化コピーに過ぎないと言えないか。自分はもう第六世代である。もう一度世界に眼を向け、世界に学ぶ必要がある。(2009年10月8日読了)