21世紀の歴史 未来の人類から見た世界 ジャック・アタリ(2008)作品社

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界
市場の九番目のロスアンジェルスを「中心都市」とする市場の形式は、都会人をさらに狭いアパートに閉じ込め、都会の生活条件をさらに孤独なものにしてゆく。愛情はますます希薄化し、都会人は狭いアパートでセックス・パートナーとひっそりと暮らす。人間関係のしがらみに対する恐れ、愛情からの逃避、あからさまな無関心などが、人格的な魅力とされるようになる(すでにその傾向はある)。(第III章 アメリカ帝国の終焉 p-153)
黒川清氏が薦めていたので流し読み。特段感心させられるようなことはないが、未来の歴史を振り返るという神の視点から、現在の中に確かに未来につながっている動きがある、未来は現在の中から生まれる、ということを意識させられる。あと半世紀近く生きるとするならば、その未来を生きねばならない、今から「未来行き」に乗らねばならないと思う。(2009年9月22日読了)