チェンジメーカー 社会起業家が世の中を変える(2005)渡邊奈々 日経BP社

チェンジメーカー~社会起業家が世の中を変える
きっとまた、日本人は礼儀正しいとか、きめ細やかな配慮があるとか、そんな聞きなれたほめ言葉だろう。やれやれ……。ところが彼は次にこう言ったのです。「自分より恵まれない人たちに対するコンパッションがないってことだよ」私にとっては予想外の言葉でした。「コンパッション」とは、単なる同情を越えて他人の気持ちを思いやり苦しみも喜びもわかち合うという意味です。(エピローグ p-213)
「日本人は情に厚い」というのは神話であって、一般的には身内、「うち」以外の人間に対しては(諸外国の人に比べて)冷たい、という説をどこかで読んだのを思い出した。「社会起業家」と銘打ちながらも、旧来のボランティア団体とかNGOとかとの違いがハッキリしないものも取り上げられている。いずれも「チェンジメーカー」ではあるわけだから、それでいいのだろうが。「社会起業」とは、やはり新しい「産業」として成立するものだろうし、同業他社が成立して「業界」が出来るものだろう。その意味では、まだ限られたものでしかないように思う。
(2009年8月4日読了)