ビジネスに「戦略」なんていらない 平川克美 2008 洋泉社

ビジネスに「戦略」なんていらない (新書y)

「どうやって、儲けるの?」という問いの前に、「何を与えたいのか?」という問いが先行してはじめて、起業の物語はスタートします。というのは、与えることなくしてその反対給付であるお金を手にすることは出来ないというのが、ビジネスの順序だからです。(第一章 ビジネスと言葉づかい p-59)

全体としての主張がよく分からないきらいはあるけれど、「もともと分からないものなのだ」という主張のようなので、それでいいのだろう。初出は2004年だが、社会が何ごとも「競争」としてしか捉えないという事態は、表向きにはますます進行しているように思える。みんなでアタマ悪くなっている、ということだと思うが、若い世代が表舞台に立つようになれば、事態はまた変わっていくのではないかと思いたい。
(2009年4月読了)