2009-03-19 「粗にして野だが卑ではない」 石田禮助の生涯 城山三郎(1988)文藝春秋(文春文庫 1992) 「年間五十億人という人命を預かる職は、金をもらってやるべきではない」 (若き兵士の如く p-23)晩年の描写からは、面倒くさい爺さんだと思うけれども、この国でまっすぐに、思ったように生きながら、社会的に成功し、尊敬もされる、ということが、ほんの少し前までは可能だったことを確認して安心する。そういう良い記憶をこそ常々思い出し、そういう社会に戻していかなくてはいけない。 (2009年3月18日読了)