「歴史の愉しみ方 忍者・合戦・幕末史に学ぶ」 磯田道史 (2012) 中公新書

歴史の愉しみ方 - 忍者・合戦・幕末史に学ぶ (中公新書)
わたくしの感覚からすれば、皇族や華族学習院を休むのは、むしろ、あたりまえのことで、とりたてて騒ぐことではない。皇族や華族(大名・公家)というものは、とにかく健康で存在し続けることが大事であった。学校へ行くより、天候の悪い日には外出せず、手を洗って病気にならないよう気をつける方が、ずっと大切であったのではないか。(皇族・華族不登校 p-110)
「古文書の達人」と帯にあるが、まさにそのとおり。その特殊能力(?)を駆使して歴史を掘り起こし、なおかつそれを一般向けに面白く解説するという希有な本。上のようなことにつけ、地震の記録につけ、すこし歴史を遡ってみれば、いまの常識などというものがいかに根拠のないものかを思い知らされる。そうした認識なく「現在」にしか生きていない人間の薄っぺらいこと。やはり「賢者は歴史に学ぶ」のだ。(2013年2月3日読了)