「情報大爆発 コミュニケーション・デザインはどう変わるか」 秋山隆平 （2007） 宣伝会議

広告も同じです。ターゲットにあったメッセージを丁寧に配達するだけでは、何も起こりません。「人気が人気を呼び」「買いが買いを呼ぶ」ような社会的なダイナミズムを呼び起こすためには、メディアとメッセージが絶妙に組み合わされた、「空気のデザイニング」が不可欠なのです。（あとがきにかえて…　深い洞窟の中から　p-269）
AISASという購買行動モデルを提唱していることで有名な本なのだろうが、出版から5年ほど経って、目新しいことはあまりない代わりに、古びた感じもあまりない。1月のeconomist誌の議論では、ITCはいままさにその影響が社会に浸透し、動力革命や公衆衛生の発明のようなインパクトを与えつつあるところではないか、とされていた。ムーアの法則といったITCの短い歴史を振り返ると、確かにそうなのかもしれないと思わされる。広告も経済も教育も、その次元での変化を経験しつつあるということを意識しておくべきだろう。(2013年2月1日読了)