「明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法」 佐藤尚之 (2008) アスキー新書

明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法 (アスキー新書 045)
最後になるが、これから広告は「企業のソリューションから消費者のソリューションへ」と変わっていかないといけないと思っている。元々これはねじれの関係にある。企業は消費者のためにモノやサービスを作っていて、つまり「消費者のためのソリューション活動」をしているわけなのだが、その活動の一環としての広告活動はなぜか「企業のためのソリューション活動」になっているのだ。(第7章 すべては消費者のために p-229)
こういう本は5年も経つとどうかと思ったが、内容的には特に古さを感じない。というか、いままさにこうなった、という気がする。現代は「そもそも会社というものは、人々に価値のあるものを提供することでお金をもらう人為的なシステムだよね」ということが再認識されているように思う。あらゆるものごとがネットワーク上に等しく並べられるようになってきたいま、会社も広告も、名前や規模の大きさではなく、人々への貢献度によってその価値が決まるようになる。そして、その決定権を消費者が強く握っている。それが、この本のいう「明日」ではないか。(2013年1月9日読了)