「『知の衰退』からいかに脱出するか?」 大前研一 (2009) 光文社

「知の衰退」からいかに脱出するか?
ハッキリ言って、いまの(集合名詞としての)日本人はバカである。集団としてはこれほど知恵のない人々はいない。となれば、そこにつけ込もうとする人々が必ずいるはずである。(「低IQ社会」で得をしているのは誰か p-320)
言っちゃったよ(w。大前研一という名前はずいぶん前から知っていたと思うけれども、読むのは初めて。海外でも著書が売れるということで、そんなエライ人だったのかと認識を新たに。福沢諭吉がいまいたとしたら、こんな感じだろうか。普通にモノを考えたらこうなるでしょう?という内容で頷けるところも多く、自分はそれほど大きくズレたり遅れたりはしていないようだ。しかし、その上で「行動に移す」かどうかが分かれ道、ということだろう。日本人とつきあうならあくまで個人とそうすべきであり、「マス」を相手にしていてはこちらまでおかしくなってしまうと確かに思う。しかし、だったら教育はどちらに入るだろうか? 「マス」を眼前から捨象して、自分の持ち場という「個」を、世界と未来に通じるものへと変えていけるか。そこに希望の火をともし続けることが出来るかどうか。(2010年6月21日読了)