Foresight 2009年5月号 新潮社

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「大変な官僚内閣制になる。後世えらいことをしたといわれるのは確実。軍務大臣現役制を復活した広田弘毅のように裁判にかけられる心配があるので、自分は反対したと記録にとどめてほしい」(作家の堺屋太一氏)、こういう案に賛成したといわれては物書きとして穢れ」(評論家の屋山太郎氏)などと、口を極めて批判したが、もはや後の祭りだった。(「いつから総理は官房副長官の手先になったのか」 白石 均 p-15)

公務員制度改革を巡って、漆間内閣官房副長官ら官僚が批判されている。いったい彼らは国の政治をなんだと思っているのか、理解に苦しむ。国のため、社会のため、人々のため。そういった志とか、心意気とかいったものは、ある年代の人間にはすっぽり欠落しているのだろうか?
久しぶりに実家に帰ってテレビを見て、麻生首相が記者会見でしゃべっているのをはじめて聞いたのだが、あの不自然に語尾を延ばすしゃべり方がひどく耳障りで驚いた。経済も政治も三流では、ひどい閉塞感である。ただ、放っておいても時は過ぎ、新しい考え方を持った若い世代が早晩台頭してくることだけが希望である。
(2009年5月1日読了)