2011-08-18から1日間の記事一覧

「ミラノ 霧の風景」須賀敦子 (2001) 白水Uブックス

柩が教会から運びだされるというときに、アントニオだ、とだれかが言った。まわりにいた人たちが、道をあけたところに、アントニオが汗びっしょりになって、立っていた。手には半分しおれかけたエニシダの大きな花束をかかえていた。きみが好きだったから、…