2010-09-23から1日間の記事一覧

「行きつけの店」 山口 瞳 (2000) 新潮文庫

こういうものを書き終わって、いま私の心に残るものは、意外にも“時の移ろい”である。あれが美味かった、あそこの眺めがよかったではなく、あのときのあの人の笑顔がよかったという類のことである。それは私の瞼に焼き付いている。私はそのことに驚く。(時…